今、日本に必要なのは「連休」より「バケーション」:コラム WRITERs'VIEW .006
今回は、日本の「休日観」について書こうと思います。 *1
2019年の天皇退位・即位の日
みなさんは、2019年のゴールデンウィークが10連休になると聞いてどう感じましたか。
本来は「新たな天皇陛下即位の日」をお祝いする歴史的な一日ですが、メディアやSNSではゴールデンウィークが長くなることばかり取り沙汰されています。
単純に「ゴールデンウィークが長くなったら、さらに仕事が増えそう」というのが日本で働く人の感覚かもしれません。あるいは、「こんなに長い休みめったに取れないから、どこかへ行こう」という方もいらっしゃるでしょう。
日本の祝日・世界の祝日
実際、日本ではどれほどの祝日が存在するのか調べてみました。
2019年 | 国 | 祝日 (土日含む) |
有給休暇 | 取得率 |
---|
No.1 | 日本 |
14日 (18日 +2日予定) |
20日 | 50% |
---|---|---|---|---|
No.1 | 韓国 |
14日 (15日) |
16日 | 67% |
No.3 | 香港 |
11日 (18日) |
14日 | 100% |
No.4 | フランス |
12日 (14日) |
30日 | 100% |
No.4 | シンガポール |
11日 (14日) |
16日 | 93% |
No.6 | オーストリア |
10日 (13日) |
26日 | 100% |
No.7 | アメリカ |
9日 (9日) |
16日 | 67% |
参考:Welcome to Public Holidays Global - PublicHolidays.global(世界の休日)
参考:有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017
実は、日本の祝日は世界各国と比較して多いのです。日本の祝日は18日間あり、世界的にもトップです。一方で、有給休暇の取得率は他国と比べて著しく低くなっています。また日本では有給休暇はまとめて取らずに、分割して取る傾向にあるようです。
連休ではなくバケーションを
日本では、ゴールデンウィークのように「祝日」として同時に休めば休むほど、「休む人」と「働く人」の二極化が生まれます。「休む人」が集まる場所に「働く人」が集められるので、結果的にどちらも疲れます。これって、本当に休めていますか?
「国民こぞって祝意を表すために祝日扱いにする。連続した休暇を取ることでゆとりのある国民生活の実現を期待したい。」-菅義偉官房長官
祝日はその国の年間行事に関わる「祝う日」であり、バケーションは「一人ひとりの休暇」です。もちろん、祝日の問題とバケーション制度の問題では「休み」の意味合いが違うので、同じように論じることはできません。
ただ、「休む」ということだけを考えるのであれば、「祝日」のような公式の休みの日をつくるよりも、一人ひとりの時間にあった「バケーション」を導入するべきだと思います。そのほうが「ゆとりある国民生活」には近くはずです。
よく日本では「1ヶ月もいなかったら仕事がまわらなくなる」という人がいますが、海外、特にヨーロッパではバケーションは当然です。最初は驚きましたが、実際には1ヶ月くらいいなくてもなんとかなります。世の中そんなものです。
とはいえ、今の日本では毎年長期のバケーションを取るのは現実的に難しいでしょう。しかし、例えば「3年に一度、1ヶ月まとめて有給休暇が取れる」としたらどうでしょうか。
仕事以外のために、自由に使える時間です。長期旅行に行く、短期語学留学をしてみる、あるいはゆっくり家族の時間をもつ、たっぷり寝てみる、家事育児を交代してみる、趣味に没頭してみる。なんでもいいのです。きっと、それだけで働く人のモチベーション維持や、働く楽しさを見直す機会になるはずです。
これから広く副業が認められたり、フリーで収入を得る機会が増え、働く人が働き方を選ぶ時代になるなかで、会社が大きく変わらなければ有能な人を獲得するのはより難しくなっていくでしょう。
最後に、日本の慶事をお祝いする日ならば、一日だけの休み「特別な日」にしたほうが記念すべき日として意識されるでしょう。そして、日本を完全に休ませたらいいと思います。半日だけでも。もちろん、レストランも、コンビニも、ファーストフード店も全てです。すべての人が家でゆっくりする日。
日本も、日本人も、本当の意味で「休む」には覚悟が必要ですね!
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