「防災力×旅・キャンプ」をはじめよう!災害時にも役立つアイテム
今回は、「防災力×キャンプ」について書きたいと思います。
みなさんは、自然のなかで過ごすワイルドな旅やテントを張ってキャンプしたことはありますか。旅やキャンプをしてみると、災害時にも役立つサバイバル力、防災力が身につきます。身近なことからはじめてみませんか。
キャンプの不便さ、いざという時に役立つ力
キャンプなど日常生活を離れて、便利なモノから切り離されたところで過ごしてみると、その不便さに最初は戸惑います。そして、その不便さをどうやって切り抜けるか、考えることになります。
キャンプは、家ではない場所に仮住まいを作って、生活するということです。
キッチンがない場所で調理して、ベットがない場所で寝る。不便さに身を置くことで、いざというとき生き抜く防災力にも繋がります。キャンプをはじめることで、いざという時にも使えるグッズが揃ううえに、非常時の対応力が身につくのです。
いきなりキャンプをするのはハードルが高いという方は、旅でも構いません。便利な旅行グッズを買い揃えてみることからはじめてみましょう。持ち運べるお役立ち旅行グッズが、いざという時に使える防災グッズに早変わりします。
初心者向け!便利な「旅」グッズで防災力アップ
まずは、誰でも気軽に手に入れられて持ち歩きやすいものをご紹介します。今回は「旅行」と「災害時」の両方に使える、防災×旅グッズに絞っています。
持っているだけで海外旅行など「旅」が快適になり、いざという時の「防災力」も上がるグッズです。普段から使えるので、持っていて損はありません。*1
ウエットティッシュ
まずは、旅行に持っていく人も多い、ウエットティッシュです。日本では当たり前のように使いますが、海外でウエットティッシュを使う国は非常に少ないので、旅行の際にも持っていると便利です。ふつうのものでもいいですし、お気に入りの香り付きのものもリラックスできるのでおすすめです。
旅行の場合には、機内持ち込みのバッグとスーツケースにそれぞれ入れておくと便利です。災害時には、断水などで水が貴重になることもあるので、持っていると安心です。
マウスウォッシュ
仕事中や外出時など、ちょっとしたシーンでも使いやすいマウスウォッシュです。海外旅行でも食事の後や飛行機内など、ちょっとしたシーンで使えます。いくつか買っておいて、旅行ごとにひとつ持っていくのが旅ルーティーンです。
小さい携帯できるサイズがかさ張らないので気に入っています。携帯用の個包装タイプは、旅用にも普段の持ち歩き用にもぴったりです。キャンプや災害時も、衛生面は重要なので重宝します。
ライト(ソーラー充電・モバイルバッテリー機能付き)
常に携帯しておくと安心なポケットサイズのモバイルバッテリー・ライトです。ソーラー充電もできる優れモノで、出張や旅行などにも使えるものもあります。
これならバッグに入れておけば、外で災害にあった時も安心ですね。災害は、いつやって来るかわかりません。東日本大震災の時には、首都圏の交通網がストップして駅構内で夜を明かした人や、夜間歩いて家まで帰った人もいました。そんな非常時にはライトとスマートフォンでの情報収集は必須です。コンパクトなので、普段使いしていれば、いざというときに困りません。
シリコンボウル
意外と使えるのが、このシリコンボウルです。Airbnb(エアビー)を使って旅行する方や、バッグパッカーなど自炊をしながら旅行をする方に、ぜひおすすめしたいのが電子レンジ対応のものです。意外と、東アジア以外の海外ではスープ麺を食べる習慣が少ないので、うどんやラーメンにちょうどよいお椀がないことがあります。そんな時にとても便利です。
折りたたみなので、旅行にはスーツケースに入れて持ち運べば気になりません。災害時にも、軽いのですぐに持ち出せます。シリコン製なので、割れる心配もなく、洗いやすいのもポイントです。
ドライシャンプー
ドライシャンプーはシャンプーができないときなど重宝します。また、ヨーロッパなど硬水地域では頻繁にシャンプーをすると髪が傷んでしまうので、ドライシャンプーも人気です。スプレー状のほうが比較的サラサラになりやすく、使いやすいのでおすすめです。
飛行機での移動を伴う旅行ではスプレー缶を持っていけないので、ジェル状のものを持っていくか、スプレーを現地調達することもできます。ジェル状ドライシャンプーは、拭き取りなしだと少しベタつくので苦手という人もいるかもしれませんが、海外旅行用に持っていく場合はジェル状になります。ジェル状ドライシャンプーは、髪が重くなりがちなので、使用した後に少しドライヤーをしてもよいかと思います。
即乾タオル
旅行に意外と便利なのがセームのような速乾タオルです。水泳をやっている人ならよく知っているこのタオルですが、認知度は低いイメージです。
旅行ではタオルなどを短時間で乾かしたいということが多くなりますが、速乾タオルは絞るだけでほとんどの水分を切ることができて、軽いとても便利なタオルです。旅行の帰りには、旅先で買ったワインボトルを包んでスーツケースに入れたりすることもできます。災害時などにも簡単に持ち運びできて便利です。
コンパクトレジャーシート
コンパクトシートも、使えるシーンはいろいろあります。飛行機の中は意外と汚れています。大事なバッグを足元に荷物を置く場合にも使えますし、足元に敷いておけば靴を脱いでくつろぐこともできます。また、空港などで荷物を広げる場合(スーツケースならそのままでもいいですが)や、旅行中に公園に立ち寄って座る場合にも使えます。ポイントは、「手のひらサイズに収納できる」「水洗いできる」という2つです。
コンパクトサイズは薄いので、硬い床のうえにずっと座っているのは苦痛かもしれませんが、こういったレジャーシートは災害時にも使えます。駅など外で災害が起こった場合、長時間同じ場所に止まらなくてはならないこともあります。また、雨風などを防ぐこともできます。手のひらサイズなら、旅行だけでなく、普段からバッグに入れておいてもよいでしょう。
本格派!災害時に役立つ、便利な「キャンプ」グッズ
次は、いよいよキャンプグッズです。 おしゃれなキャンプグッズを揃えたりするだけでも、楽しくなります。社会の喧騒から離れて、マイナスイオンを浴びて過ごす休日もいいですよ。
ここでは、キャンプに使えて災害時にも役立つ便利グッズを紹介します。
ライト(モバイルバッテリー機能付き)
現代人にとって、スマホの充電が切れるほどの恐怖はありません。あの不安な気分はなんなんでしょうか。「誰かが連絡してくれているかも」「待ち合わせの相手に自分の状況を連絡したいのにできない」など、日常生活でも不安になるのですから、災害時のストレスは計り知れません。必需品です。
スマートフォンにもライトは付いていますが、スマートフォンのライトを常時オンにしておくわけにはいきません。消費電力も大きいので、ライトを持っておくほうが安心です。
そんな時に、モバイルバッテリーと一体化したライトが便利です。災害時などに困らないためのポイントは、「自然放電が少ない」「バッテリー容量が大きい」「明るさが十分に確保できる」「長時間使用できる」「持ち運びができる」などがあります。モバイルバッテリーより大きい分、広範囲を照らせて長時間使用することができます。
このランタンは、ミドルモードで、連続点灯約3日間使用可能です。日中はライトを使わないとしても、夜間使用して数日間充電なしで使えるものを選びたいところです。
非常食・常備食
いつでも美味しいごはんが食べられるというのは嬉しいものです。非常食は災害時にはもちろん、キャンプなどに持って行って食べてみるというものいいのではないでしょうか。今では非常食も充実していて、非常食だけでバラエティーに富んだ食事をすることができます。
キャンプに行くたびに、常備食の試食をしてみるのもいいですね!常備食も期限があるので、自然と入れ替えができますし、いざというときのために自分で厳選したお気に入り常備食を揃えておくこともできます。
非常食だけではなく、缶詰なども長期保存が効くのでおすすめです。セールなどのタイミングで買い貯めておけば、普段の食事に一品追加したり、非常時の常備食にしたり、と使い勝手がよく、常温保存できるのもポイントです。少し重いので大量に運ぶのには向きませんが、停電・断水などの二次災害時、自宅待機などの場合には重宝します。また、水の備蓄も必須です。
コンロ(ストーブ)・キャンプ鍋
キャンプでも、災害時でも共通して、「寒さ」は大敵です。逆に、温かい食事や飲み物があるだけで、精神的にも落ち着くことができます。そんな時のために、コンロをひとつ持っておくとよいでしょう。鍋ひとつあれば、お米と水で暖かいご飯を炊くのは意外に簡単ですよ!
最悪、カセットコンロでもなんとかなりますが、災害被害が大きい地域では、緊急時に持ち出すのは少し困難なので、できればキャンプ用の持ち運びしやすいものがおすすめです。
防水バッグ
防水バッグは、キャンプには最適です。耐水性だけでなく、耐久性にも優れているので、キャンプだけでなく旅行にも向いていますね。防犯的にも、耐久度の高いものがおすすめです。特に、パソコンやタブレットなどを持ち運ぶ場合には、耐水性、耐久性があると安心です。また、あくまでも緊急時の応急措置ではありますが、中身を出してバッグに空気を入れれば、いざという時に水に浮くかもしれません。(浮揚装置としての機能はありません。)
こちらはバケツがわりにもなるタイプです。キャンプの際には、水や氷を入れて飲み物を冷やすこともできます。
また、いざという時には中身を出せば、水を汲んで運ぶことができます。この中にキャンプグッズ(防災グッズ)はこの中に入れておいてもいいですし、コンパクトにたためるのでキャンプグッズのひとつに加えておくだけでもいいと思います。
寝袋・シュラフ
寝袋を選ぶときのポイントは、「軽さ」と「保温性」です。それを両立してくれるのが羽毛です。少し値段は高くなりますが、軽さと保温力が全く違います。毎日使うわけではないので、一度買っておけば長く使うことができます。
エアーマット
アウトドア用エアーマットです。自動膨張なので、空気を入れる手間なし、ひとりでも簡単に設置できます。キャンプなどのアウトドアシーンではもちろん、災害時にも、車中泊にも便利なマットです。睡眠は大切なので、少しでも快適な環境が確保できると精神的ストレスも軽くなります。
濾過機能付きボトル
キレイな水は、キャンプでも、災害時でも最重要なポイントです。カートリッジで濾過する浄水機能付きのボトルです。キャップ部分に濾過フィルターがついているので、そのままボトルに水を入れて、キレイな水を飲むことができます。
災害は地震の揺れだけではない
実際、東日本大震災のあと、東京も停電や断水がありました。災害時には、大都市も陸の孤島のような状況になります。一時的に全ての交通網が停止したことで、コンビニやスーパー、自動販売機からも水や食べ物、生活用品がなくなりました。想像以上に不便になるのです。
かといって、いつやってくるかわからない地震に、毎日おびえて暮らすわけにもいきません。そして、時間が経つにつれ災害のことを日々意識し続けるのが難しくなります。なので、生活に取り入れてしまおうということです。
社会の喧騒から離れた大自然で
火をおこして料理をすることも、長時間電気が使えなくなることも、お湯や水がなくなることも、今の日本では想像できません。コンビニに行けばなんとかなります。
ですが、電気がなくなり、水がなくなり、そして交通機関もストップして、コンビニやスーパーからモノがなくなり、スマホの充電が切れてしまったら、どうしますか。
災害時にはコンビニからは水を含め、食べものもなくなります。トイレットペーパーなどの必需品もすべてです。そうなってから焦っても、ただ耐えることしかできません。
もし、そんなときキャンプグッズがあったらどうでしょうか。小さなコンロと鍋、いつも食べているお米、常備している水、これだけで温かいごはんは炊けます。食べたことがあるお気に入りの非常食があるだけでチカラになるでしょう。寝袋があれば、暖かく寝ることだって簡単です。ランタンを使えば、停電だって乗り切れます。普段から玄関先に収納しておくだけで、いざという時の防災力になります。
不便なところに身を置いてはじめてわかることがあります。阪神淡路大震災から24年、東日本大震災から8年が経とうとしている今、「3人に2人が備え不足」とも言われています。
たしかに、普段使わないものを「いつかのために備えておけ」と言われても、「まぁ、そのうち余裕のあるときに」となりがちです。
ですが、来年のキャンプ用品だったら、どうでしょうか。一度買っておけば、毎年使えて、いざという時にも役立ちます。どうせ買うなら、今、年末のセールのタイミングや来年の増税前に買っておいたほうがお得です。
一番の防災対策は、日常と災害時をできる限り近づけることだと思います。困難な状況を楽しむすべを知っているかどうか、そして乗り切れる方法を持っているかどうかで、いざというときのストレスは軽減できるでしょう。
普段から、コンビニ、冷凍食品だけしか食べないという生活を離れて、社会の喧騒から離れた大自然でストレスを解放しながら、キャンプをしてみると思わぬ力がつくかも、というすすめでした。